CRIMSON/GANGは一時活動を中止する。主力選手(筆者)の移籍と後継者不在によるものだ。移籍の詳細は以下の記事を参照してほしい。
ソフトバンク・チームジャパン新クルー、吉田雄悟、笠谷勇希インタビュー | BULKHEAD Magazine バルクヘッドマガジン
ボートを離れることが寂しい反面、新しい舞台での挑戦には心が躍るものである。
改めてCRIMSON/GANGでの活動を振り返ると、良い思い出ばかりだ。
もちろん、活動中は苦労が多かったし、勝てたのは設立1年目となる2013年のM2+のみである。それでも、他の実業団や学生チームでは得られないであろうやり甲斐があった。
【主な活動結果】
2013年(設立1年目)
・東京国体5位(M4+)
・全日本選手権優勝(M2+)
2014年(設立2年目)
・長崎国体3位(M2X)
・大阪レガッタ優勝(M1X)
・タイ代表選手との年末合宿@タイ
2015年(設立3年目)
・アジアカップ6位(M1X)、4位(LM1X)@シンガポール
・全日本選手権3位(M2X)
CRIMSON/GANGの選手は、会社の中では働きながらボートを漕ぐことを前提とはされていない。学生チームに比べると、艇庫や合宿所、マネージャーなどのサポートが万全ではない。練習時間の確保や食事の管理、大会出場に向けた事務手続き、艇やオールの確保も全て自分たちでやらないといけない。
苦労自慢をするわけではなく、「そういった制約をどうやって乗り越えて結果を出すか。」という創意工夫が楽しかった。結果を出すという観点から見れば要らない苦労ではあるが、自分たちのスタイルに合った形でボートを続ける。定めた目標に向けて着実に近づいている日々。その過程が楽しかった。「楽しかった」というよりは、むしろ「夢中になれた」とか「充実していた」というニュアンスが強いかもしれない。
各レースで勝つことは目標ではあるものの、目的ではなかった。
「既存の選択肢にとらわれない方法を示す」という目的にそった活動ができたと思う。
学生や実業団ではない、第三勢力として全国大会の舞台で優勝を目指して戦えた。
日本代表として選ばれなくてもアジアカップに出場できた。つながりはなくても、交友関係をつなげることでタイの選手と合宿できた。
自己満足だろうけど、自分が満足できたならば、自分にとっては最高だろう。
CRIMSON/GANGがきっかけであろうとそうでなかろうと、それぞれの想いを込めてボートに打ち込むクルーが増えてくれば幸いである。