CRIMSON/GANG's blog @SailGP

「既存の選択肢にとらわれない方法を示す」を理念に活動するRowing Teamです。CEO:Yuki Kasatani

チョコボールには、銅のエンゼルってのは無いらしい。

子供の頃、チョコボールのおもちゃの缶詰を欲しがっていました。当時はインターネットがなく、おもちゃの缶詰の中身については全く情報がありませんでした。「手に入れると、きっと凄いものが入っている!」という期待感がすごかったです。

親からお小遣いをもらうと、すぐにチョコボールになりました。積極的に周囲の大人のお手伝いをして、さらにお小遣いを稼ぎつつ、チョコボールを買い続けました。

おもちゃの缶詰を手に入れるためには、金のエンゼルなら1枚、銀のエンゼルなら5枚必要です。銅のエンゼルはありません。金は銀の5倍価値があり、金と銀以外には価値がないということでしょうか。少なくとも、当時の筆者にとって、金が目標であり、最低でも銀を欲していました。それ以外はゴミでした。(チョコボールは美味しく食べていましたが)

やっとの思いで金のエンゼルを手に入れた時、気分は最高潮でした。さっそく金のエンゼルを貼って応募し、念願のおもちゃの缶詰を手に入れました。期待に胸を膨らませつつ中身を見ると、子供心をくすぐるおもちゃでいっぱいでした。でも、すぐに飽きてしまい、友達に少し自慢した後、兄弟や友達にあげてしまいました。

 

思い返すと、本当に価値があったのはおもちゃの缶詰そのものではなく、「おもちゃの缶詰を手に入れたら、すげーんだろなー!」というワクワク感を持って過ごした日々でした。情報も知識もない子供ならではの高揚感であり、今の時代ならグーグル先生に聞けば情報をくれるため、それほど高揚感は得られないでしょう。

 

今回の全日本選手権では3位になり銅メダルをもらいました。チョコボール的にも、アスリート的にも、全くダメな結果でした。それでも、今回の全日本に向けてクルーを組んでくれた相方や監督、コーチ、その他支援してくれた皆さんと一緒に全日本の決勝で戦えたことはとても貴重な思い出です。今年のクルーは、最初ダブルを組んだ時点ではシングルスカルで漕いだほうが速いんじゃないかってくらいスピードが出ず、大会毎にシートを入れ替えたりと、苦労の多かったクルーです。漕ぎのスタイルが合わないことから、リギングの数値についてもかなり試行錯誤しました。そうするうちに、気がついたらM4+にも勝てるぐらいには艇速が出てき始め、今回の結果に至りました。改めて思い返すと苦労が多い道のりでしたが、明るい相方のおかげもあり楽しめた道のりでした。

優勝できたらどれほど嬉しかっただろうか。IT革命で情報が氾濫している世の中ですが、肝心なことは自分自身で経験しないとわかりません。

 

選手としては全く満足できておらず、次の和歌山国体での活躍に向けて引き続き頑張ります。一方、CRIMSON/GANGの創設者としては、JPOWERへの吸収合併があったものの、なんだかんだで良かったと思っています。一部界隈では、Henley Royal Regattaへの派遣もささやかれていますが、「JPOWER&C/G」の物語は一旦お終いです。

全日本決勝前夜といっても、この状態は昼下がりのコーヒーブレイクと何ら変わらない平穏なものだ。

今年はなんとか全日本決勝に進出できました。(去年は敗者復活落ちという「悪い夢」でした)

crimson-gang.hatenadiary.jp

ボートにはいろんな種目があって、結果出したいなら出漕数が少ないM2+やW2−、W8+で出ればいいし、ひとりの漕力で頑張りたいならM1XやW1Xで出ればいいし、やっぱメインレースで頑張りたいならM8+やW4Xで出ればいい。

そんな中、今年M2Xでの出場を決めたのは、やはり日本代表の中でも実力のある2人で構成されるクルーに挑んでみたいという気持ちがあったからかもしれません。来年の五輪で日本代表として漕ぐレベルを確かめたいというか、「五輪に出るならオレを倒してからにしろ!」というか、蟻の王に挑んだネテロの気持ちが知りたいというか、模試E判定でも志望校を受けた受験生時代の気持ちが懐かしいというか、よくわからない気持ちです。

 

しかし、ひとつ言えるのは、自分の中では「周囲の人間が出来ないとか無理とかいうことに対して果敢に挑戦することこそが、かっこいい」という価値観があるということです。

 

勝つか負けるか、泣くか笑うか。勝って泣く場合もあるし、負けても笑う場合もある。

 

全日本の決勝という大舞台で漕げることに感謝しつつ、更なる艇速に挑戦します。

 

 

 

 

 

 

 

ちきちきクルー紹介 ver.2015

気づけば、いよいよ全日本選手権まで2週間。駅前に外国人が増えてきたということ以外では特に変化のない戸田の町並み。混雑が解消されない朝の埼京線。濁ったボートコースの水。

それらを見ていると、変わることのない永遠の時間を過ごせそうな気になる一方、確実に時は過ぎていく。水上で見かけた他大学の選手は筋肉を脂肪に変え、私服をまとい観客としてコースに来る。筆者がテレビで見ていた頃は子役だった双子タレント「マナカナ」も、気づけばアラサーだ。時の流れは止まらない。そして、この事実は変えられない。「他人と過去は変えられない。変えられるのは、自分と未来だけ」と、会社の研修で教えられた。

 

自分が変わる条件として一般に言われるのは、「住む場所・時間の使い方・普段関わりを持つ人」を変えることだ。「決意」では何も変わらないという。そのとおりだと思う。人はよくも悪くも社会的な生き物だ。「決意」をして、実際に「場所・時間・人」の要素を変える。それが変わるための条件なのだろう。

 

では、CRIMSON/GANGはどう変わってきたのか。まず、場所で言うと、三菱艇庫から一橋艇庫に拠点が移った。移ったというより、利用(寄生)しているといった方が正しいだろうか。どちらの施設もとても恵まれた施設であり、普段から本当にお世話になっている。きちんと結果を出して、そして、菓子折りを持ってお礼にいこう。

次に、時間。これは、あまり変わらないかもしれない。あいかわらず、ボートを漕いでいる時間は変わらない。ただし、エルゴやバイクに割く時間の割合や細かいメニューの内容などは確実に変わっている。また、筆者個人で言うと、プライベート(ボート以外)では変化があったため、その意味で時間を使い方が変わった。

 

最後は、人。長い長い前置きでしたが、CRIMSON/GANG ver.2015のクルー紹介です。

今年の種目は、M2Xです。「絶対に優勝する」をテーマに、出漕数が少ないM2+で臨んだのが2年前。「規模を拡大する」をテーマに、人数が多いM4+で臨んだのが1年前。今年のテーマは「挑戦」です。全日本のM2Xは、優良企業として知られる仙台の雑貨屋さんのチームが毎年優勝しており、他の種目と比べると、筆者にとってはハードルが高いです。しかし、日本代表2人で組むそのM2Xへの挑戦という意味で、今年はM2Xで出漕します。

 

S:ktani

CRIMSON/GANG Co-Founder and CEO。

担当業務:経営管理・企画・営業・IR・法務・財務・総務・庶務・雑務。

 

B:I藤

静岡県が産んだ鬼才。国体優勝という輝かしい功績を持つ漢。M1Xで活動していたものの、今年はCRIMSON/GANGに合流し、M2Xでの全日本出場を決意。きつい中でも声を出しクルーを鼓舞するのが得意。漕ぎのスタイルは、「イーブンペースで着実に漕ぎ進み、ラストにかけて相手をぶちぬく」という「なにわ大学」スタイル。(参照:レガッタ-君といた永遠 3巻)

国体のブロック予選に負けてしまい、今年最後の全国大会である全日本選手権にかける彼の漕ぎに注目だ。

 

浜寺漕艇場には、人の希望や無念さとかいろんなものが浮いています。

久しぶりの更新となります。自分でもすっかり忘れていました。

日々の細かいことはTwitterでつぶやいてますので、どうぞフォローください。

twitter.com

この3連休は国体近畿ブロックに出場しました。会場は兵庫県城崎温泉です。昼間はレースでぶっちぎり!夜は綺麗な温泉に浴衣美女とのムフフな時間を過ごせて、漕手としてはもちろんオスとしても有意義な遠征でした\(^o^)/

嘘です。

 

本当の会場は前回の大阪府予選時に死体を見つけた浜寺漕艇場です。(これで直近6回の近畿ブロック予選中、浜寺が3回です)

www.sankei.com

「今日は何事も無く無事に過ごしたいな、、、」とレース前から只ならぬ予感を感じます。

そんなこんなで幕開けした近畿ブロックですが、結果はM4+で2位。1位ではなくて残念ですが、国体本戦出場を決められたのは良かったです。今年で6年連続で大阪での出場となります。自分が大学生だった頃に高校生だった選手が今は同じクルーです。(そう考えると、野村さんや阿部さんは自分が大学生だった頃には生まれていなかった選手と同じクルーで漕いでいるのでやっぱ凄いです)

 

今回1番嬉しかったのは、成年男子が全種目本戦に出場できることです。これは大阪選抜の創設以来初です。創設当初は選手個人のパフォーマンスに頼りきりだった部分も多かったですが、近年はマネジメントやレース間の過ごし方に関しても意識が高まっており、良い感じです。

一方、大阪に帰ると、そこそこ実績のある選手として接してもらうことが多いですが、自分はまだまだ発展途上です。そして、なんだかんだ毎年キャリアハイでいるつもりです。現在の実力でも他のメンバーに負けるつもりは毛頭ありませんし、もっとチーム内での競争を激化させたいと思っています。

「自分が頑張る」→「みんなも頑張ってる」→「結果出す」→「選抜すげーな」→「選抜入りたい」→「自分が頑張る」→以下、ループ・・・の流れにしたいと思っています。

巷で「ダークホース」と言われる大阪選抜ですが、そろそろ普通に強豪として認知されるよう、今年もしっかり頑張ります。

 

 

 

 

 

 

Asian Rowing Cup in Singaporeの雑感と今シーズンの意気込み

お花見レガッタ真っ最中ですが、2週間前に終了したAsian Rowing Cupに関して。今回の遠征では、大学OBの方々や国体の監督等から一部支援金を頂きました。海外のレースに出るという貴重な経験ができたのも、支援者の方々を中心とした皆様の応援のおかげです。本当に有難うございました。

尚、Asian Rowng CupではCRIMSON/GANGからM1X(筆者)とLM1X(筆者の後輩。2014年のU23代表)が出漕し、以下の結果となりました。

500M

M1X:FinalA 6位

LM1X:FinalB DNF

1000M

M1X:FinalA 6位

LM1X:FinalA 4位

注) DNFとは「Did Not Finish」と意味であり、スタートはしたけど、ゴールしなかったという意味です。素晴らしいスタートを決めた後、クラッチのねじの緩みがあったためオールが外れ派手に沈したそうです。筆者は今回の大会で初めて知りました。

 

一番印象的だったのは、フィリピンとカザフスタンの女子選手がとても綺麗だったということなんですが、それ以外では自然環境に対する圧倒的な信頼という点が日本と異なり印象的でした。

まずはこちらの画像を見ていただきましょう。1枚目はM1Xの予選A組(10:00発艇)。

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拡大。

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2枚目は同じくM1X予選B組(10:10発艇)。

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拡大。

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予選A組は予選B組に比べて、全体的に1分速い結果になっています。おそらく、日本人の感覚ですと、「あ~、これは記録間違いだな~」と考えると思います。なんせ10分しか離れていませんしね。筆者もそのような考えで大会側に「いやー、全体的に1分速いのは流石にありえないですよねー笑 間違いですよねー笑」と聞いたところ、「本当だねー♪速いねー♪ここは風が強いからねー♪」と、風の影響によるものとのことでした。

 

こういう緩い感じが筆者は大好きです。東南アジアは年中温かいですし、将来的には東南アジアと日本を行き来できる時間的余裕と資金を確保して、ボート出来れば幸せです。

まずは、今日のお花見レガッタから日本でしっかり頑張り、将来的には日本を飛び出して他国のボートにも積極的に関わっていきたいと思います。引き続き宜しく御願いします。

 

 

 

 

ノミに関する割と有名な話を、一橋の昔話を交えつつ。

「Asian Rowing Cup Ⅰ」に向けた遠征まで残り1週間です。海外での公式レースは大学2年生の時以来なので、今からとても楽しみです。大会期間中は会社を休むため、今はがっつり仕事に勤しんでいます。

さて、今週の筆者自身の学びとして、ノミとキリギリスと魚に関する話がありますが、ひとつ選んで有名なノミの話を。

 

家で犬や猫を飼っていなければ、ノミを近くで見る機会はそうそうありません。ノミは害虫なのであまり見たいものではないですが、身体能力は羨ましいものを持っています。凄いやつだと、1cm未満の体長にも関わらず、1m程ジャンプできるらしいです。そんな凄いノミに関して、ある有名な実験があります。

ざっくりいうと、以下の通りです。

1.大量のノミを瓶に入れます。

2.瓶に入る前のノミの跳躍力をもってすれば、簡単に瓶以上の高さを飛べますが、瓶にふたが閉められます。

3.ノミはジャンプし続けますが、瓶のふたにぶつかって出られません。

4.三日後、ふたを外し、さらには瓶から出したとしても、瓶以上の高さには飛べなくなっています。


PS2 Flea circus commercial (gen16.com) - YouTube

なんとも怖い結果ですね。これは人間にもあてはまるかもしれません。

子供の頃にいろいろな夢を持っていたとしても、周囲の人間から「その道は厳しい」「そんなの無理じゃん」とか常識というふたを被せられることで夢が実現不可能であると思ってしまう。ボート部で言えば、「60分エルゴのスコアはだいたいこれくらい。インカレの成績はだいたいこれくらい」というように、目標に対して知らず知らずのうちにチームでふたを被せてしまう。それを上限にしてしまうから、それ以上には達成できない。人間が社会的な動物である以上、所属する組織や環境の影響は大きいでしょう。

しかし、瓶の高さ以上に飛べなくなったノミの中に、普通のノミを入れます。普通のノミは瓶以上の高さでピョンピョン飛び跳ねます。すると、ふたの高さまでしか飛べなくなっていたノミもそのノミに釣られるように再び瓶以上の高さまで飛べるようになります。

 

実は、筆者はこれと似たような現象を大学1年生から2年生の時に経験しています。今の大学生や高校生は実感が湧かないと思いますが、筆者の入部当時の一橋ボート部はインカレで敗者復活落ちするくらい弱かったです。正直、1年生ながら試合が近づくにつれて部の雰囲気が悪くなるのを感じていました。そんな部の状況を一新すべく、新キャプテンの下でその年の秋から「革命」が始まりました。「部の外に目を向けること」「過去の常識にとらわれないこと」を意識し、練習の強度は急激に増しました。日本代表選考にも多くの選手が挑戦しました。結果、次々と歴代のエルゴスコアが更新され、負け続けていた東大との定期戦では当時の大会新記録で圧勝。U23世界選手権で2位になる先輩も現われ、前年は敗者復活落ちだったエイトがインカレ決勝に進出。全日本では、2種目でメダルを獲得し、全日本新人のエイトでは2位を獲得しました。

 

日々懸命に練習に励む中で、知らず知らずに設定してしまっているふたに気づくのはとても難しいです。そんな時は、自分の組織の外に目を向け、自分達の目標とする位置に近い位置にいる人と話し、その人の考えや常識を取り入れてしまうことが有効です。個人単位の目標であれば、目標とする人々がいる組織に属してしまえばいいでしょう。

 

CRIMSON/GANGは全く新しい概念のRowing Teamなので、ふたなんて無いまま突っ走りたいと思います。

努力の「努」の字は「オンナ」と「マタ」と「チカラ」という字から出来てますが、下ネタの要素はないようです。

何かしらの目標を持って頑張っている方々にとって、上手く成果が出ない時に「努力」に関する様々な名言を糧に踏ん張りを利かせることもあるでしょう。最近の努力に関する名言の中で圧倒的に支持を受けているのは、やはりこれですね。

「努力した者が全て報われるとは限らん。しかし!成功した者は皆すべからく努力しておる!!」by はじめの一歩

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同じスポーツからは、「ダイヤのA(エース)」の結城キャプテンの名言もありますね。偉そうな先輩から「素質がない」と言われた代が練習に練習を重ね、その代のキャプテンとなる選手が始めて出場した公式戦で結果を出した時のシーンです。

『誰よりも上手くなりたい。その強い想いは 少しずつ周りにも伝染してゆく。互いに刺激しあえる仲間との出会い。積み重ねてきた日々のスイング。努力は嘘をつかないー』by ダイヤのエース

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王道ギャンブル漫画のカイジでも良い言葉がありますね。この人物は悪役であとで主人公のカイジにこっぴどくやられてしまうのですが。

「明日からがんばるんじゃない・・・。今日・・・今日だけがんばるんだっ・・・・!今日をがんばった者。今日をがんばり始めた者にのみ・・・明日が来るんだよ・・・!」by 賭博破戒録カイジ

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 他にも様々な名言がありますね。さて、上で書いた名言と比べるにはあまりに御粗末ですが、筆者からもひとつ。

 

「もし僕が高く険しい山を登ろうとするなら、まずは美人のインストラクターを雇うだろう」

 

大学4年生の頃、結果に拘り過ぎて悩んでいたことが多かったのですが、全日本が終わって、いろいろ吹っ切れました。その後、自分のペースでトレーニングして、ほぼ毎回後輩のペアとか他大学の選手と勝手に並べて、勝ったり負けたりして楽しんで、パフォーマンスもがんがん上がって、ロンドン五輪の選考にも参加できて、ちょっと調子乗って、部報書けって言われて、「メンドクセー」って言いながらもドヤ顔で書いた言葉です。

 

楽をするとか、結果に拘らないという意味ではなく、目標達成までの道のりが面白くなれば、自然と頑張り続けることができて、結果的に目標も達成しやすくなるのではないかと思います。成果が出てるときには、成果が出ること自体が楽しいのですが、人間生きてりゃいろいろあるので、上手くいかないときもあります。「こんなに苦しいなら。。。」と諦めてしまうこともあるかもしれません。そんなときでも、美人のインストラクターがいれば、途中の苦しい場面やハプニングを楽しめると思います。頑張れる理由は多いに越したことはないでしょう。